書評 その1(『嘔吐』)

 これから折に触れて自分が読んだ本について簡単な書評、というか紹介の文を書こうと思う。
 初めは専門とする『嘔吐』(サルトル著、人文書院)。
 極めて良く知られた日記形式の小説。サルトルの文学作品の最高峰。二つの翻訳がある。翻訳ではほとんど読んでいないのでどちらがいいとかは言えない。多分、鈴木道彦訳の方がいいだろうとは思う(自信なし)。
 
 実存主義の小説ではない(しばしば誤解されているが)。物について、また言葉について、主人公のロカンタンが啓示を受ける、というのが極めて大雑把な内容。アニーという女性も登場するが恋愛小説とは考えにくい。

 (また加筆します。今夜はここまで。)