書評 その2 (『政治の世界 他十編』丸山眞男著 岩波文庫)

 本の題名がよくない。そして帯に書かれている引用も陳腐。これでは買う人は多くないだろう。この二点で大きな失敗をしている。

 けれど内容は非常に優れている。やはり偉大な思想家の文章というのは素晴らしい。

 50年以上前に書かれた文章とは思えないほど現代でも通用する。読者が右の人であっても左であっても参考になるところ、教えられることがあるはず。

 丸山眞男は後半生沈黙してしまった。本書に収められた文章は沈黙以前のもの。後に丸山が夜店とよぶ範疇に属するもの。沈黙の理由は素人には窺い知ることは出来ないけれどやはり60年安保で考えることがいろいろあったのではないかと推測する。

 

小保方さんと笹井さん

 こんなつまらないブログを書くだけの暇とエネルギーがあれば自分の関心のある本を読むべきなのだろうけれど。
 小保方さんの会見は見なかった。笹井氏の会見はテレビで見た。
 
 私の聞き違いでなければNatureへの論文は1度rejectされていたのだ。それで小保方さんがお偉い方である笹井氏に修正を頼み込んだのであろう。それでacceptされたということなのであろう。

 笹井氏が会見で第四段階しか関与していない、というのは本当であろう。1度はrejectされた論文のどこをどう修正してacceptされるようになったのか、そういうことは一切報道されない。

 笹井氏に頼み込んだ(のであろう)ので小保方さんが、「(笹井氏について)申し訳なさ過ぎる」という言葉が出てくるのも至極当然のことなのだろう。

 報道されないことは全く報道されない。Natureのレフェリーの考えがどうして変わったのか、笹井氏はどう修正したのか。こういう疑問には誰も答えてくれない。

 余談だがレフェリーを広辞苑で引いても大辞林で引いても理系の世界では日常的に使われている意味の(論文などの)審査員、という意味は載せていない。

やなか珈琲

 お出かけ日和だったので近所のやなか珈琲で豆を買った。店員さんに、一番売れているのを、と言って決めてもらった。単なるブレンドということになった。その場で焙煎してくれた。待つこと8分ほど。焙煎というものがこんなに短時間で出来るとは思っていなかった。驚いた。
 部屋に戻って早速コーヒーを淹れた。不味いというわけではないが美味しくもなかった。まあ200グラムで990円である。仕方がない。
 店員さんに濃いのと薄いのがありますがどちらにしますか、と訊かれたので、濃い方を選んだのだが確かに味は濃い。
 またこの店を利用するかは不明。

書評 その1(『嘔吐』)

 これから折に触れて自分が読んだ本について簡単な書評、というか紹介の文を書こうと思う。
 初めは専門とする『嘔吐』(サルトル著、人文書院)。
 極めて良く知られた日記形式の小説。サルトルの文学作品の最高峰。二つの翻訳がある。翻訳ではほとんど読んでいないのでどちらがいいとかは言えない。多分、鈴木道彦訳の方がいいだろうとは思う(自信なし)。
 
 実存主義の小説ではない(しばしば誤解されているが)。物について、また言葉について、主人公のロカンタンが啓示を受ける、というのが極めて大雑把な内容。アニーという女性も登場するが恋愛小説とは考えにくい。

 (また加筆します。今夜はここまで。)

簡単な計算

 

 消費税が3%増加する。ところがごく簡単なことがお分かりになっていない方が結構いらっしゃるようなので。
 今まで1000円で売られていた商品が3%の増加だから1030円になる、との勘違いである。
 消費税抜きの価格をa円とすると、a×1.05=1000,a=1000/1.05.8%になるとa×1.08=1028(端数は切り捨て)。