(少しだけ詳しくもう一度))原武史著、平成の終焉 (岩波新書)

 この本を手にして読み始めた時、私にはある一つのことが気になっていた。書いてあるかな、書いてないかな、事実はどうだったのだろうか、という思いである。
 するとp61にこう書いてある。

  第2章と第3章で触れるように、天皇明仁は皇后美智子とともに、皇太子時代からさまざまな福祉施設を訪れてきましたが、精神障害者を収容する施設は訪れていません。受刑者が収容された刑事施設を訪れることもありません。たとえ日本国籍をもっていたとしても、そうした人々は除外されています。(引用終わり)

 私は、やっぱりそうだったのね、と思った。

 引用した文は、(おことばの)
 問題点5-「国民」とは誰のことか

という小見出しがついたセクションに現れる。著者の原は精神障害者の施設のことについてはこれ以上何も書いていないし、またこのセクションの趣旨(つまりおことばには国民という言葉が11回現れるけど、あらかじめ除外されている人もいる、というほどの趣旨だろう)にはこれ以上の記述は特に必要ではないと考えたのかもしれない。また原は言うまでもなく精神障害の専門家ではないし。

 この事実について何を思うか、とかそういうことは人により様々なのであろう。
 

原武史 著 平成の終焉 (岩波新書)

 一応通読した。悪い本ではないと思う。ただ読んでいて気分が暗くなった。楽しい本ではない。

 この本を手にして読み始めた時、私は、あのことは書いてあるのかな、と思うことがあった。途中に(p61)さらりと書いてあった。

 (略)天皇明仁は皇后美智子とともに(中略)精神障害者を収容する施設は訪れていません。

 

 私はやっぱりね、と思った。さらりとこう書いてあるだけでこのことについて著者の原は何か意見を書いているわけではない。

第二の天安門が生じるとは考えにくいけど

香港のこと。習近平北朝鮮を訪問し、トランプと大阪で会談する間は香港の事態が大きく動くことはないだろう。けどそのあとはどうなるのだろうか。

 天安門事件では放置しておけばデモはおそらく下火になるだろう、いやもう下火になっている頃に事件は起こった。

 香港もまだどうなるか分かったものではない、と言えなくもないような。

鷲巣力 加藤周一はいかにして「加藤周一」となったか  (岩波書店)

 何時の頃からかは分からないし、何らかのきっかけがあったというわけでもないのだけど、加藤を「羊の歌(続も含めて)」だけで判断してしまうことはmisleadingになるのでは、という思いは持つようになっていた。私が歳をとった、ただそれだけのことかもしれない。本として活字になったことをそのまま真に受けることはどうもよくない、という知恵のようなものが身に着いた、そんな立派なものでもないのだけど。

 本書を最初から最後まで通読したわけではない。こういう本の読み方はよくないとは思うのだけど。

 最初にミーハー的な関心だ、といわれればそれまでのことを書いておく。ヒルダさんの写真が公になるのはずいぶん先のこと、私が生きている間には写真を見る可能性はあまりないのだろうな、と思っていた。けど本書には1枚、ヒルダさんの写真がある。こういうお顔の方だったのか、と。

 加藤とヒルダさんは歳はあまり違わないのでは、とこれまた何の根拠もないのだけど漠然と思っていたけど、結構歳が離れているのだ。加藤と出会ったとき、ヒルダさんはまだ21歳だったのだ。学生だったのだろうか。

 そしてヒルダさんは1983年に49歳で亡くなっている。もうずいぶん前に亡くなっていたんだ。

 ヒルダさんについては本書に書かれている以上のことはもうあまり出てこないのかもしれない(本書にもそれほど多くのことが書かれているわけではないのだけど)。加藤がヒルダさん宛てに書いた手紙は将来公開される可能性はあるにしても。

 最初の結婚のことは羊の歌には全く出てこない。それどころか著者の言葉を使えば虚構、というかかなりの嘘といってもいいことを加藤は書いていた、ということになるのだろう。一体どういう考えでこれだけの虚構を作って活字にしたのだろう。全くの嘘、とは言えないのだろうとは思うけれど。

 男と女がくっついたり別れたりという話は全くの第三者には面白いとも言えるしそんなことは知りたくもないともいえるのだけど。

 ヒルダさんの写真はあるのだけど後の二人の女性の写真はない。ご遺族の方が承諾しなかったのだろうか。このあたり、よく分からない。ヒルダさんのご遺族の方は了解されたということだろうか。けどヒルダさんのご遺族のことは本書には触れられていないと思う(私が見落としているのかもしれないけど)。矢島翠さんはすでによく知られている方だし写真もお見かけしたことがある。

 本書が出版されるという広告を見たとき、何人かの方のことが思い浮かんだ。海軍の叔父さん、L中尉、原田義人。

(中略;また後でその気になれば続きは書きたいと思う)

 本書は加藤のことを考える人にとっては大きな転換点になるのではなかろうか。

青山ブックセンター 本店

 一度も行ったことがないのでは、と思ったので出かけてみた。けどその一方でひょっとしたら一度だけ店内に足を踏み入れたことがあるのではという漠然としたおぼろげな記憶もあった。

 実際に行ってみるとああここは一度来たことがあるわ、本屋そのものの記憶ではなくてこの地下に入るエスカレーターね、ということだった。

 土曜の午後だったけど混雑してはいなかった。こういう本をこういう具合に配列してあるのであればそれほど多くのお客さんは来ないのだろう、そういう感じの本屋。本屋側の人たちにとっては特に多くはなくてもファンになってくれるお客さんはいるはずだ、という考えなのだろう。少しマイナーな流行の本を置こうという考えなのかな。結構遅くまで営業しているから夜のことは分からないけど。

 買いたいと思う本が念頭にあるわけではなかったのだけど少し眺めていると最近少し気になっている著者の名も見かけたので、つい最近出版されたはずのはないのだろうか、と思い上下左右を見たけれどどうやら置いてないようだった。

 2度目ということになったけど3度目行くかどうかは分からない。

 このブログを読んで下さっている方はまずいないとは思うけど場所は国連大学まで行くのが分かりやすいと思う。