冬の物語 イサク・ディネセン著  横山貞子訳 新潮社

 一言で書ける。「この短編集はお勧めです。」
 本当に久しぶりにいい本に出合った、という気がする。取り立てて華々しい事件が生じる、というわけではないけれど心がしんみりすると思う。訳者の力量ということになるのかも。
 この訳書は英語版からの訳とのこと。ただデンマークの作家なのにどうして英語なのか、この点について横山貞子氏は何も書いていない。作者自ら英語で書いたのか、あるいは誰かが英語に訳したのか。