(少しだけ詳しくもう一度))原武史著、平成の終焉 (岩波新書)
この本を手にして読み始めた時、私にはある一つのことが気になっていた。書いてあるかな、書いてないかな、事実はどうだったのだろうか、という思いである。
するとp61にこう書いてある。
第2章と第3章で触れるように、天皇明仁は皇后美智子とともに、皇太子時代からさまざまな福祉施設を訪れてきましたが、精神障害者を収容する施設は訪れていません。受刑者が収容された刑事施設を訪れることもありません。たとえ日本国籍をもっていたとしても、そうした人々は除外されています。(引用終わり)
私は、やっぱりそうだったのね、と思った。
引用した文は、(おことばの)
問題点5-「国民」とは誰のことか
という小見出しがついたセクションに現れる。著者の原は精神障害者の施設のことについてはこれ以上何も書いていないし、またこのセクションの趣旨(つまりおことばには国民という言葉が11回現れるけど、あらかじめ除外されている人もいる、というほどの趣旨だろう)にはこれ以上の記述は特に必要ではないと考えたのかもしれない。また原は言うまでもなく精神障害の専門家ではないし。
この事実について何を思うか、とかそういうことは人により様々なのであろう。