神谷美恵子さんについて その1

(その1、と書いたけどその2、の予定は今のところない)

 神谷美恵子さんは長島愛生園で何をしていたのだろうか。
 精神科医として働いていたに決まっているではないか、といわれそうだ。
 けれどそもそも愛生園に行く必要があったのだろうか。また癩の人を隔離することについてどう考えていたのだろうか。
 神谷美恵子さんが書いたものが全て活字になってはいないことは自明である。全て活字になるのはおそろしいほど先のことになるのだろう。
 鶴見俊輔が岩波のPR誌「図書」で、「神谷美恵子は聖女である」と書いていたけれど私はこういう見方には賛成しない。人間においしい話などあるはずがない。美恵子さんといえども人間である。
 若い頃、美恵子さんの著書に魅かれて繰り返し読んだものである。そんな私でさえ歳を取るにつれて疑問に思うことが出てきた。