片手の郵便配達人

 登場人物がやたらと多い(人名が多数出てくる)ということを別にすれば読みやすい訳だと思う。複雑な小説ではない。戦争文学、ということになるのだろうか。けれど戦場が描かれているわけではない。淡々と叙述は進む。主人公のヨハンは心の優しい青年だということがよく分かる。結末が何とも言いようがない。