女性の皺について

 常日頃思っていることである。新聞の広告を見ていると女性の方の皺対策とでもいうべき商品が毎日のように見かける。こうまでして女性の方は皺がお嫌いなのだろうかと不思議に思うのである。
 私個人の特殊な感覚なのかもしれないしそうでないのかもしれない。このあたりのことはよく分からない。

 東京に出てきてもうすでに長いのだが好きになった女性はただ一人だけであった。その女性には目の周りに痛々しいほどの皺があった。ひょっとしたら私より歳が上であったかもしれない。けれど彼女は私に安らぎを与えてくれた。お付き合いすることは原則としては出来ないそういう立場の女性であったけれど、思い切って、メル友になっていただけないでしょうか、というメモを渡した。別れ際に彼女はニコッとして、入れておきます、と言った。

 翌日の夜に、付き合っている人がいて、というお断りの電話であった。まあ、付き合っている人がいて、というのは本当ではなく、彼女のご主人さんか親、あるいは上司がやめておけと言ったのであろう。

 彼女には私の考えていることが手に取るように分かるようであった。その上で優しく親切に接してくれたと思う。目の周りの痛々しいほどの皺は別に気にならなかった。

 ある程度の年齢になると男は20代のピチピチギャルにはあまり魅力を感じなくなるのかもしれない。最初に書いたように私個人の特殊な感覚なのかもしれないけれど。